
病院で家族が亡くなられた時、
実際にはどのような対処が
必要なのでしょうか?
前回の記事では
以下のことについて
まとめていましたね。
【湯灌(湯かん)や死化粧はどうやってする?エンゼルケアとは?】
- 湯灌の儀ってなに?
- 身繕いは何を着せれば良い?
- 死化粧とは?
葬儀社の方や納棺師の方が
行ったり、
看護師の方が死後措として行う
「エンゼルケア」というものでした。
この「エンゼルケア」と
混同されがちなものとして
「エンバーミング」と呼ばれる
遺体衛生保存方法があります。
今回はその違いに焦点をあててみましょう。
エンゼルケアとエンバーミング
病院で亡くなった際に行ってくれる
「エンゼルケア」や湯灌や身繕いなどは
あくまでもご遺体のケアを
中心としているものです。
お通夜から火葬が終わるまで
早くても2~3日はかかると
言われていますから、
その間ご遺体の保存状態を保つための
いわば「応急処置」といえるでしょう。
遺体の腐敗を防止する処置を施し
衛生的に保存できるようにする
「エンバーミング」
とは手法や目的が異なります。
ところが、一部の葬儀社では
「エンゼルケア」と「エンバーミング」が
混同されるような案内を
していることがあるようです。
「エンバーミング」は医療行為では
ありませんが、
化学や外科医療の知識
専門技術も必要とされる
遺体処置法です。
この処置自体は
「エンバーマー」という
専門技能ライセンスを持つ人しか
行うことができません。
「エンバーマー」ライセンスを
持っている人を抱えている
葬儀社はごくわずかで、
「エンバーミング」を行う
医療機関も少ないのが現状です。
それぞれの違いとは?
ご逝去からお通夜やお葬式を経て
火葬に至るまで、
最短でも2~3日はかかると
言われています。
火葬場が少ない東京や首都圏大都市部では
時期によっては1週間程度
かかってしまうこともあるようです。
大都市特有のこうした事情もあって、
火葬までの期間、遺体を
きれいに保存しつづける方法として
「エンバーミング」という技術が
注目をされるようになりました。
通常の措置の場合
人間や動物の肉体は、
死後は急速に細胞の分解が始まり
腐敗が進行します。
このため、死後の遺体は、
すぐさま湯灌やアルコール清拭により
清潔を保ち、体液などが流出しないよう
処置をします。
さらに遺体に整髪や死化粧と言われる
メイクアップを施した上で、
清らかな姿で旅立ちできるよう
ドライアイスや防腐剤で
遺体の劣化を抑制するのが、通例です。
これらはそれぞれ、
- 「遺体処置(または「死後処置」)」
- 「遺体のメークアップ」
- 「遺体保存処置(ドライアイス)」
などといった名前で、
葬儀社から出される見積書の明細項目の中に
挙がっていることがあります。
サービス体制のしっかりした
病院で亡くなられた場合には、
湯灌・清拭などの死後処置と
遺体のメークアップなどは
その病院でしてくれますから、
その場合葬儀社が提供するのは、
ドライアイスや防腐剤などを施す
「遺体保存処置」のみとなりますね。
エンバーミングが適する場合とは?
しかし、これらの遺体の処置・保存方法は、
あくまで、葬儀・火葬までが短期間の場合に
有効な、応急的な処置でしかありません。
たとえば1~2日間であっても、
長時間ドライアイスが当たった遺体の部位は
変色することがあり、
やむを得ないとは言え、
遺族にとっては辛いことでもあるでしょう。
「エンバーミング」
はこうした応急処置ではなく、
体を化学的・外科医学的防腐処置技術に
よって、外観的な変化なく
長期間保存する方法なのです。
ドライアイスでご遺体を痛めることなく
常温で保存することができます。
日本語では「遺体衛生保存」と翻訳されているものです。
まとめ
次の記事ではもう少し踏み込んで
実際にはどういった処置を施すのか?
また葬儀社の見積もりや
支払い請求書の中で
気をつけて見るべき項目などにも
触れていきたいと思います。
これからも、私が実際に体験したこと、
知らずにいて「へ~!」と思ったことを
忘れないようにまとめていきます。
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